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help リーダーに追加 RSS 前略神様お元気ですか?27

<<   作成日時 : 2008/06/24 17:32   >>

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注:最終回の予定でしたが思ったより長かったので、あと1回続きます。
  ごめんなさい。



様々な道具が踊る。「神の間」の床はトランポリンのようにうねる。
重機類が跳ね、鉄筋や工具が降り注ぐ。
木々はちぎれそうなほど揺れ、本棚はドミノ倒し、粉々のガラスが飛び散る。
その中を必死に逃げまどう受験者たち。
倒れるクレーンの下敷きになる者、
あるいは他人を助けたばかりに飛んできた瓦に頭を割られる者、
わずかな隙間に逃れようと押しのけあう受験者たちもいた。

そんな中、亮一と綾乃は互いを探していた。
一緒に下界に戻ると約束した。
死んではいけない、死なせてもいけない。
一人では帰れない。どちらが欠けても駄目なのだ。
長い雲震だ。飛び交うの物と右往左往する受験生たちの中でやっと見つけた。
「綾乃!」亮一はやっと届いた綾乃の人さし指と中指をつかんだ。
ちぎれそうな指に顔を歪めながらも今度は綾乃がそのまま引っ張る。
「亮ちゃん!こっち!OAデスクは頑丈なのよ!下に隠れよう!」
亮一がすでに傷だらけのギターを盾にしながら、ようやく二人がデスクの下に滑り込んだ瞬間、雲震がとまった。
止まると同時に、目の前にある机やPCが霞みはじめた。OA機器だけではない。廻りにあるもの全てが消えはじめたのだった。本、花、車、食品、プール、建物、全て・・・・。
誰もが天国にきて一番最初に見た光景、何もない白い部屋に戻った。
受験者たちがざわざわと立ち上がった。重器の下敷きになっていたはずの者もなぜか起き上がる。
綾乃がつぶやく。
「そういえば魂の光も飛んでいかなかった・・・・」
「ほっほっほっ。試験終了ぉぉぉぉぉぉ!!!」
陽気すぎる神様の声がだだっ広い神の間に響く。
訳が分からなくて、呆然と立っている受験者の真ん中へとするする進むシンちゃんと秘書。
「試験終了じゃ。今、頭の上のリングが光っておる者が合格じゃ。
 いや、皆ご苦労じゃった。ほっほっほっ。」
受験者たちはそれぞれ頭の上の輪っかを確認する。だが、光っている者も光ってない者も喜怒哀楽を出せない。どこで合否が決まったというのだろう。
「ほっほっほっ。判定基準が分からぬかな。では説明しようかの。
 そもそも、下界に降りて下界回復プロジェクトを遂行する任務自体も難しい。
 じゃが、下界におりてから最も重要になるのが生き抜くことと、生かすこと。
 下界を救うために降りるのじゃから、救わねばならん。
 自分だけ助かろうとする者はもってのほか!修行が足りぬわ!
 ここでの生活で精進せよ。
 しかしまた、他人を救うために自分を犠牲にしてもいかん。
 本来の目的が達成できぬでな。
 特に今回の試験においては自己犠牲は美徳とは思わぬ。
 自分も大事、他人も大事、全てが大事。そういうことじゃ。」
秘書が補足する。
「要するに神様が作られた仮想空間、仮想雲震でのみなさんの行動を見たかったのです。
 応募頂いたみなさんは能力的には問題のない方々でしたので、
 技術審査よりも生きる力、生かす力を試したいとの神様のご判断だったわけです。」
落胆や歓喜の声があちこちであがる。
綾乃と亮一は互いの頭の上の光るリングをぼんやり見ていた。
「帰れるんだな・・・・」
引き続き、秘書の声。
「合格の方々は今から下界へ戻るための心得等説明させていただきます。」
不合格者は残念そうにだが納得した表情で引き上げていく。
「明日から3日間細かな研修を行いますが、おおまかな説明をいたします。
 皆さん、亡くなった時期には開きがあります。
 神様が時間のトンネルを現在から過去へと戻していきます。
 それぞれの方がなくなった日時に到達すると、トンネルから離れ、下界へ戻ります。
 事故の数秒前に戻すのが限度ですので、事故を回避することをお忘れなく。
 各自に神様との通信手段をご用意します。
 天国でも浄化作戦を行いますので、連動させるためです。
 定期的に活動内容をご連絡下さい。
 そして、3日間の研修後、天国のかたがたへのお別れのために1週間ほどの休暇を・・・・」
相変わらず事務的な秘書の説明は続いた。

3日の研修も無事終わり、下界への派遣員は皆天国での友、家族たちとの別れを惜しんでいた。
神の間からぼんやりと平穏な天国を眺めるシンちゃん。
秘書がいつの間にか傍らに立っていた。
「内々に選挙管理委員会から3か月後の神様選挙に立候補の意志がおありかどうか、聞いてきましたが。」
「ほっほっほっ。このむずかしい時期じゃ、ほかに候補がおらんのじゃろうのう。」
「仰せの通りです。」
ポンと手を叩くシンちゃん。
「どうじゃ?お主がやらぬか?手際のいい神になろうて。
 バックアップするぞ!ほっほっほっ。」
「ご冗談を。わたくしは命令を遂行することに長けているだけです。」
シンちゃんの顔から少し陽気さが消える。
「170年も神をやっておると、時々無性に限りある命がうらやましくなる。
 今回のようなイキのいい命を見るとな・・・・。」
「もう少し、一般人にお戻りになるのはご辛抱下さい。
 このプロジェクト、あなたがやらなくては誰がやるのですか?」
「やれやれ、有能な秘書は上の使い方もうまいのう。ほっほっほっ。」




 

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
で、次回は最終回「15分拡大スペシャル」ってことですか?(笑)
maruto
2008/06/24 22:03
>marutoさん
元原稿に加筆してたら長くなっちゃって、分けただけなんです(苦笑)次こそ終わりです、はい。
nodoka
2008/06/25 07:33
次で最終回かぁ〜
なんかさみしいな〜…
また新しい作品もよろしくお願いします!^^
次回も楽しみにしてます!
ねこちゃ
2008/06/26 15:48
>ねこちゃっち
長くおつきあい頂いてどうも!v(^o^)v
シャーロットの短編はいくつか頭の中に浮かんでるんだけど、いきなりブログに書いちゃうのも恐い気がする・・・・暇見つけてちょっと書いてみるね。いつも読んでくれてありがと!
nodoka
2008/06/26 16:37
シャーロット、書いて書いて〜!!!^^
あ、いそがなくていいからね!^^
楽しみ〜にして待ってるよ♪^^
ねこちゃ
2008/06/26 17:59
>ねこちゃっち
まだちゃんとまとまってないんだけどねー、1つの話に。(苦笑)
夏休み時期に時間ができるはずなので練ってみる!
nodoka
2008/06/26 19:14

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